バイク屋さんから買ったバイク屋さんの乗っていたバイクはこんな物か・・・

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昨日ブログ書けなかった・・・本日の朝2時半まで下記の作業サポートをしていた為です

こんばんはGARAGE-T 今日はバイク屋のずさんな作業の実態についてレポートさせて頂きます

事の切欠は「さがわまるSP」さんが 以前 流山のバイク屋でVTR1000SP-1を購入しました

流石にバイク屋さんが普段乗っている自分用のバイクですから ちゃんと整備してあるだろうと

安心して乗っていました が ある時

さがわまるSPさんが「としさん乗ってみる?」って 言ってくれたので 乗ってみました

乗ってみた感想は「ステアリングステムおかしい・・・」って事で分解することになりました
  
今回はステムベアリングの交換とフロントフォークオーバーホールです

↓さがわまるSPさん作業開始!

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タンクを上げてフレームにタイベルトを通してモーターブロックで宙吊りにします

マフラーを外してオイルパンにジャッキをかける人が居ますが

コケルと高くつきますので気をつけてください

前回り全て外してステムベアリングをポイポイって外していきます

↓外したステムベアリングです 何じゃこりゃー!!!

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↓相当な「虫食い」状態ですね ステアリングがまっすぐでクリック感が有るんですよ

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ここまで酷い物は久しぶりに見ました 

当社ではステムベアリングの交換時期はどのくらいですか?と、お客さんに聞かれることがありますが

私はこう答えます

「マシンの違いや人間の重量、乗り方によって一概には言えません」ってね

だから心配だったら私に乗せてみて下さい 大体解ります 車体を持ち上げての確認も致します

お金はもらいませんのでお気軽にご相談ください。

ステムベアリングもグリスの交換で寿命を大幅に伸ばすことが出来ます、

やれば50000キロ やらねば10000キロ持ちません 工賃は結構高いので

こまめなグリスアップをお勧めいたします。


そして新品のベアリングレースを打ち換えて ベアリングにグリスをタップリ塗って

ステムを組み付けます ステムの組み付けトルクはサービスマニュアルに載ってますが

余り信じてないので カンと手トルクで決めます

ステアリング=ハンドリングはライダー一人一人に好みが有りますので

ライダーさんとの打ち合わせでステムの締め付けトルクが変わっていきます


さーて フロントフォーク抜いて分解しますか

あー倒立フォークでしかもハイエンドマシンですめんどくさそーな予感

しかし基本はテレスコです 構造を考えながら冷静に分解していけば 解らなくなる事はありません

しかし 部品多い ね さがわさん↓

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フロントフォークもステムベアリング同様 汚かったです 

フォークオイルは腐ってませんでしたが 酷い汚れでした

この手のフルアジャスタブルフロントフォーク等のハイエンドサスペンションは

早めのメンテナンスをしないと色んな意味で駄目になってしまいます

「最高の製品には最高の整備を」ですよ

オイルの流れる通路が細く繊細なのでオイルに金属粉が増えると細い通路等を削ってしまい

サスペンションの性能を変えてしまいます 

例の如し 分解されたサスペンションの部品(消耗品以外)は全て汚れが出なくなるまで

しつこく洗浄されます。

作業を進めていくウチに外しにくい箇所に出くわしました

サスペンションの主役「カートリッジダンパー」と「ボトムケース(インナーパイプ)」

を接合しているボルトです

コレは本来ホンダ純正の「SST(特殊専用工具)」を必要とします 通常無いと作業できません

ですが いくらするのか知りませんがメーカーのSSTって高いんですよ

1万円覚悟コースだなと 考えた私は まず近所のアストロに行って 

「コレ回す道具ない?」と相談しましたが 見当たらず 其の後近所のホームセンターに行き

正方形のアルミ角パイプを購入しました これが結構バッチリはまって モンキーで押さえたら

うまいこと回りました 1000円の工具代ですみました

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そして 外したダンパーを洗浄 入っていた空間も洗浄 全て洗浄して

消耗品を交換して 分解した逆順で組みなおしました

フォークオイルは「さがわまる」さんのお好みで

「円陣屋至高」ってとこの「ABSO REV」って倒立フォーク用フォークオイルです

1100mlで6,090円もするぜ!たけ~

VTR1000SP-1は左右で1100ml使うので丁度良く その話題の性能を試してみたかったらしい

さがわまるさん人柱ありがとう御座います

って事で 550mlをメスシリンダーで計り 消耗部品を交換したフォークに投入

なるべく泡が立たないようにエレガントに 入れ終わったらカートリッジダンパーのエア抜きをします

指で先端を摘んで上下に作動させて オイルが先端から勢いよく出てくるので 要注意

ゆっくり作動させてオイルが出てきたら 油面を計って確認します

確認が終わったら残りの部品を組み付けて トップキャップを取り付けて軽く締めます


2本目も同じ作業で分解します 1本目同様に汚いです・・・

オイルを排出して 消耗部品を交換して 再利用部品は洗浄 と同じ事をします

しかーし ここでトラブル発生! 

スプリングプリロードアジャスターダイヤルを回すと3本のピンが下がってプラスティックスリーブ

押してその下のスプリングを押し下げるんだけど 3本のピンが金属で押されるスリーブが

プラスチックなんで凹んじゃうから その間にメタルワッシャーが入っているんですよ

1本目のフロントフォークには入っていたのですが 2本目には入ってない!

え!なんで? なんで入ってないの?

そのとき思いました やはりバイク屋なんてそんなものか・・・

レース屋のレベルで商売していない所は やはり信じる事は出来ないな と

そのメタルワッシャーの厚さは1.6ミリ 左右のスプリングアジャスターを

同じ位置で合わせて走ったら1.6ミリもアジャスターの高さが違うのに290キロ位

出ちゃう乗り物で バイク屋が気が付かないで乗っていたとわね

あー 今日はその部品無いので 応急処置でメタルワッシャー分の1.6ミリを

アジャスターを入れ方向で調整することで対処 

後日部品が来たらもう一度ばらすことになりました・・・ 

そして1本目と同じくフォークオイルをメスシリンダーで規定量計って

 あれ515mlも無いじゃん・・・ 円陣屋至高めー

ボトルを見たら1100ml 合わないじゃん 入って無いじゃん

そもそもボトルのメモリは1000mlしかないのに なんでラベルには1100mlって書いてあるんだよ

たりねーじゃん・・・ コレも出来るだけ入れたら 後日足します

あー不本意不本意だ しかしオーナーの「さがわまる」さんは このバイクで仕事しているので

預かる訳にはいきません

不本意ながら車体に組み付けて作業は終了しました


やはり中古で購入するのは相当な勇気と覚悟が必要です

今回の車体は「バイク屋さん個人が所有していたバイク」です

これは冷静に考えると忌々しき事態ですよ

私の個人的見解ですが バイク屋の店員が乗っているバイクは店のクオリティーを示すものでなければ

ならないと思います この意見は正しいとは言いませんが間違っていないと思います。

汚く整備も行き届いていないバイクに平気で乗っているバイク屋に自分の大切にしているバイクを

整備して欲しいと思いますか?信用できますか?よく考えてみてください。



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